アトピー性皮膚炎に効果的な自家培養幹細胞培養を用いた再生医療

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis)は、皮膚の慢性的な炎症性疾患で、かゆみや乾燥、赤み、腫れ、ひび割れなどの症状を特徴とします。一般的に、免疫系の過剰な反応が原因で発症する遺伝的な疾患です。アレルギー性の症状を持つことが多く、アトピー体質と関連づけられることがあります。小児期に多いというイメージがあるアトピー性皮膚炎ですが、実際には成人になってからも症状が治らない症例や、成人した後にアトピー性皮膚炎を発症する症例もあります。主な症状として「湿疹と痒み」が身体の一部分や、広範囲にわたって継続的に発生します。症状が良くなったり、悪くなったりを繰り返すことも特徴で、かゆみが我慢できずに掻きむしることで、さらに皮膚の状況が悪化し皮膚のバリア機能が破壊されてしまいます。
バリア機能を失うと内部の水分が保持できなくなってしまうために、皮膚が乾燥して外部からの刺激物が入りやすくなり、なかなか治らなくなってしまいます。

アトピー性皮膚炎の主な特徴は以下の通りです:

  1. かゆみ: 患部が非常にかゆくなることがあります。特に夜間や汗をかいた後などに症状が悪化することがあります。
  2. 乾燥した肌: 皮膚が乾燥していて粉を吹いたり、ひび割れたりすることがあります。
  3. 赤みと腫れ: 皮膚が赤くなり、腫れることがあります。
  4. 発疹と湿疹: 湿疹ができやすく、発疹が見られることがあります。特に顔、首、手首、肘、膝の内側などがよく影響を受けます。
  5. 患部の皮膚の厚みの変化: 長期間にわたって炎症が続くと、皮膚が厚くなったり、色が変わったりすることがあります。

アトピー性皮膚炎は遺伝的な要因や環境要因、免疫系の異常な反応が複合的に関与しています。乾燥した環境、化学物質やアレルゲン(花粉、ハウスダスト、ペットの毛など)、ストレス、特定の食品などが引き金となり、症状を悪化させることがあります。

一般的な治療法は、保湿ケアやかゆみ止めのクリーム、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬、免疫抑制剤などがあげられますが、バイオスタイルクリニックでは自身の細胞から抽出し培養した幹細胞を用いた治療である自家培養幹細胞培養療を推奨しています。

体内の投与した幹細胞は免疫応答が起きている場所に集まり、免疫を抑える性質があります。そのため、アトピー性疾患では、自己脂肪由来幹細胞の投与により、過剰な免疫応答を抑えることで病気に伴う様々な症状を改善する効果が期待できます。

アトピー性皮膚炎の中でも難治性アトピー性皮膚炎は、通常の治療が効果的ではない、または完全には治らない症状のことを指します。アトピー性皮膚炎は、皮膚の免疫反応が過剰に活性化し、皮膚の乾燥、かゆみ、炎症などの症状を引き起こします。難治性の場合、これらの症状が非常に重症であり、通常の治療法(保湿、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン薬など)が効果を現わさないことがあり、そのため、自己脂肪由来幹細胞療法を行うことで免疫を調整することで改善を目指します。

拒絶反応の少なく安全な
自家培養幹細胞培養療法

自家培養幹細胞培養療は、自身の細胞から抽出し培養した幹細胞を直接注射することで、顔や首などの皮膚に現れる加齢による変化やアレルギーに対する改善効果を得る再生医療手法です。この治療では、間葉系幹細胞が様々な細胞に分化でき、サイトカインと呼ばれるタンパク質を生成する能力を持っています。これがコラーゲンの生成を促進したり、異なる細胞を活性化したりすることが確認されています。幹細胞は自ら数を増やし、損傷した箇所を検知すると、そこで様々な栄養因子を放出し、組織の保護と再生を促進する機能を持っています。自家培養幹細胞培養療は、患者自身の脂肪や骨髄の細胞を使用し、幹細胞の培養は厚生労働省の認可を受けた院内の施設で行われるため、拒絶反応などのリスクがなく、非常に安全性の高い治療法と言えます。院内に細胞加工培養室を完備しており、国内トップレベルの臨床実績を誇る再生医療認定医の下、専門技術を習得した専任培養士が最終的な細胞検査まで責任を持って培養していますので高品質な幹細胞培養が可能です。

治療対象となる症状
アトピー性皮膚炎による種々の皮膚疾患

◎激しい痒み
◎苔癬化した⽪膚病変
◎掻かなくても発現する⽪疹
◎滲出液(リンパ液)が出る
◎顔⾯潮紅、浮腫、表⽪剥離
◎掻き毟りによる感染(⽑嚢炎など)

アトピーなのか自己判断しにくい慢性的な痒み、赤み、乾癬、敏感肌の方もまずは一度ご相談ください。

当院で幹細胞治療を受けたモニター患者様
アトピー性皮膚炎治療モニター患者様の患部症例写真一覧

ご自身の脂肪から幹細胞(自己脂肪由来幹細胞)取り出し
数を増やしたのちに体内に戻す治療例

ご⾃⾝の脂肪から取り出して数を増やした幹細胞(⾃⼰脂肪由来幹細胞)を体内に戻すと、脂肪由来幹細胞⾃⾝あるいはその細胞から分泌される免疫抑制因⼦や抗炎症因⼦の働きにより、⾃分⾃⾝を攻撃するようになってしまった免疫細胞や、その攻撃による炎症を抑制するためアトピー性⽪膚炎の主症状を改善させる効果が期待されます。また投与回数を重ねることでより効果が得られる場合もあります。

リスク・副作用

脂肪由来幹細胞を取り出すため、腹部または太ももの裏側を少し切開します。切開部は縫合し1週間後に抜⽷となります。切開等による傷痕が残る可能性がございます。切開後に出⾎、⾎腫、縫合不全、感染等が出ることがあります。また細胞投与については、拒絶反応の⼼配はありませんが、投与後に発熱、まれに嘔吐、注⼊箇所の腫脹が出ることがあります。

羊膜由来間葉系幹細胞培養上清液成長因子、
臍帯血由来間葉系幹細胞培養上清液成長因子の
どちらかまたは両方を使用した治療例

幹細胞培養上清液注射1回での経過
幹細胞培養上清液には、体の細胞の損傷や⽼化に対し、細胞の修復や新しい細胞の⽣成を指⽰する細胞増殖因⼦(サイトカイン)が多く含まれています。
発⽑・美肌・⽣理機能の改善・⾎管内膜の修復・成⼈病の予防など、様々な若返り作⽤が先進医療の世界で注⽬されています。

リスク・副作用

点滴により細胞投与する際、発熱を起こす場合があります。
また、倦怠感を感じる場合があります。

治療の流れ

アトピー性皮膚炎の患者様本人から脂肪を採取します
腹部または太ももの裏側を少し切開して脂肪を採取します。
また同時に細胞培養に必要な血清成分を抽出するため、60mlほどの採血をします。

脂肪の中から幹細胞だけを集めて培養し、
十分な数になるまで増やします
数週間~1ヵ月程度かけて必要な細胞数になるまでラボで培養します。

培養した幹細胞を、静脈に点滴して身体に戻します
十分に増えた細胞を点滴にて静脈に投与いたします。
(点滴の所要時間は約1時間です。)

治療の効果について

ご自身の脂肪から取り出して数を増やした幹細胞(自己脂肪由来幹細 胞)を体内に戻すと、脂肪由来幹細胞自身あるいはその細胞から分泌される免疫抑制 因子や抗炎症因子の働きにより、自分自身を攻撃するようになってしまった免疫細胞や、その攻撃による炎症を抑制するためアトピー性皮膚炎の主症状を改善させる効果が期待されます。
また投与回数を重ねることでより効果が得られる場合もあります。

自家培養幹細胞培養療法(アトピー性皮膚炎)

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